社会的に孤立している高齢者が増加傾向になっているのですが、その原因として挙げられているのが核家族化の進行です。以前は複数の世帯が同じ家で生活したり、同じ家でなくても近隣で生活しているケースが多かったですよね。このように高齢者と同居する家族がいることで、高齢者は孤立することなく生活することができていました。それが徐々に変化していき、高齢となった親と同居せずに自分たちの家族だけで生活するという子供が増えてきたのです。その結果高齢者は夫婦のみまたは単身世帯での生活を余儀なくされてしまい、社会的に孤立する形となってしまったと考えられます。

しかも子世帯が近隣に住んでいればまだ行き来をすることがありますが、子世帯が遠方で生活することも少なくありません。そうなると家族間での行き来が少なくなってしまうので、さらに孤立してしまいやすくなるのです。ほかにも高齢者が孤立する原因として挙げられているのは、近隣住民とのコミュニケーション不足です。ある程度の田舎であれば近隣住民との助け合いが不可欠なのでやり取りやコミュニケーションをすることは多いものの、都心では近所に住んでいる人たち同士のコミュニケーションが希薄になっている傾向がみられます。

それは高齢者も同じことで、同じマンションに住んでいても隣の人のことを知らなかったり、話をしないという事は珍しくありません。マンション以外でも近くに住んでいる人たち同士のコミュニティが形成されていないため、家に引きこもりがちになって孤立してしまうのです。