高齢者は子どもが独り立ちをして遠くで暮らしたり、パートナーが亡くなってしまうなどで孤立する可能性が高くなります。もし孤立してしまうと、特にメンタル面への悪影響が懸念されるのです。人は自分以外の他人と接することで、脳に適度な刺激を受けることができます。けれどその相手がおらず刺激を受けることができなければ、脳が衰える恐れがあります。高齢者の場合は認知症のリスク上昇に繋がるため、なるべく人とふれあうようにして刺激を受けることが望ましいでしょう。

また勤め先のような社会の表舞台で大勢の人と接していた人が、定年などのきっかけで孤立状態になることもあります。そうすると社会の隅に追いやられたかのような感覚を味わい、メンタルにダメージを負うかもしれません。そういったメンタル面の不調は誰かと会話をして打ち明けることが有効的な対策ですが、孤立状態ではそれも不可能でしょう。そうして誰にも相談できない悩みを抱え続けると、うつ状態になる恐れもあるため、その予防としてふれあえる相手がいた方が良いといえます。

さらに高齢者は若者に比べて、病気やケガなどのリスクが高くなります。自力で動くのが困難になったり、意識を失ってしまうことも十分に考えられるのです。孤立状態でそのまま数日の間放置されれば命の危険にも繋がり、最悪の場合は孤独死ということも十分あり得るでしょう。もし毎日状況を確認する人がいれば、万が一のことが起こった時には素早い対応が期待できます。そういった緊急面の対応のためにも、日ごろからのふれあいは非常に重要です。